「認知機能低下のおそれなし」で起こった福島で高齢ドライバーによる死亡事故

2022年11月19日午後4時46分頃、JR福島駅から約4キロの距離にある大型ショッピングモール「イオン福島店」の駐車場付近の市道で、高齢ドライバーによる事故がまた、起きてしまいました。

事故を起こした97歳の波汐容疑者は、軽自動車が歩道を走行し、歩行者をはね、その後、車3台に相次いで衝突し、小川ひとみさん(42)を、子どもの目の前で轢いて、頭から血を流し亡くなってしまいました。

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現在の改正道路交通法ではカバーできない

この事故で注目したいのは、以下の点。

97歳と高齢の波汐容疑者だが、直近の運転免許を更新した際の認知機能検査では問題はなく、杖などをついている様子もみられていない。

Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/156c732ec2a13b1f6d2aea3202c14bf23108f412?page=1

改正道路交通法が令和4年5月13日に施行され,運転技能検査が義務化されるなど、高齢者講習制度が変わりましたが、主に認知機能を調査するものです。

高齢ドライバーの重大事故は、認知機能が必ずしも関係していない

高齢ドライバーの重大事故は、認知症などの認知機能が関係していると思われがちですが、死亡事故を起こした高齢ドライバーの認知機能検査の内容をみると、「認知機能低下のおそれなし」が全体の約6割を占めているそうです。
(2019年のデータ)

高齢ドライバーの死亡事故の人的要因の割合をみると操作不適が30%で最も多く、75歳未満のドライバーと比べて約2.5倍も発生しています。 このうち、ハンドルの操作不適が約15%、ブレーキとアクセルの踏み間違いが約8%を占めており、「慌て」や「焦り」により運転操作を誤り重大事故に至る様子がうかがえます

東京海上日動 https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/guide/drive/202010.html

ほとんどの75歳以上の高齢ドライバーの事故原因は、突発的な「操作不適」であることがわかっています。

引用:令和2年上半期における交通死亡事故の発生状況|警視庁交通局

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/jiko/R2kamihanki_bunseki.pdf

高齢ドライバーの運転の危険をどう防ぐのか。

社会全体で考えていきたい問題です。